グロ フレール エ スール/ オート コート ド ニュイ ルージュ [2015] 750ml・赤ワイン

モダンで個性のある素晴らしいワインを生み出す、ヴォーヌ・ロマネ屈指の銘醸ドメーヌ

初代のアルフォンス・グロに始まった、ブルゴーニュの名門グロ家。「グロ F & S」の現当主ベルナール・グロは、グロ家の名を世に知らしめたジャン・グロの次男ですが、子供のいなかったギュスターヴとコレット兄妹のこのドメーヌを1984年から引き継ぎ運営しています。所有する畑はヴォーヌ・ロマネ、ヴージョ等に約20ha、うち一割近くがグランクリュ。ベルナールはブドウ畑の改善とセラーの拡大、ワインの品質向上に積極的に取り組み、エキゾチックでパワフルなスタイルのワインを造り出してきました。

ブドウ樹の樹齢は植え替えのために比較的若いですが、グリーンハーベストを徹底して行い収量も厳しく制限、品質にとことんこだわります。醸造は、温度が調整できる冷却装置付きのコンクリートタンクで、伝統的な方法で行われます。発酵前はルモンタージュ、発酵後はピジャージュによって抽出を行います。熟成に使用する228L樽は、ドメーヌ専用に買い付けじっくりと円熟させたオーク材を使用。オーク樽はワインにリッチさを与えていますが、主張せずよく溶け込んでいます。瓶詰め前に清澄、無ろ過で仕上げます。

2009年からベルナールの息子ヴァンサンがドメーヌへ参画、いくつかの変更がなされました。醸造面では年々少しずつ醸造期間を長くし、現在では4週間かけて介入はより少なく、小さな技術的変更を加えています。熟成も進化しました。2014年以降、樽メーカーとの密な連携の元、オーダーメイドの樽を使用。3つの森から木を購入し、4年間乾燥させます。市場にはそれほど長く乾燥させた樽は見つかりませんが、乾燥期間がタンニンの質などに大きく影響する重要な基準になります。樽の焼き加減も、エレガンスを与えるために弱火で長めの焼きにしています。村名クラス以上のものは新樽100%で熟成。

自身の初ヴィンテージ2012年には自分らしさを示し、父との違いを刻印しています。父ベルナールのスタイルは、素晴らしい芳香があり、とても濃縮感のあるリッチでスパイシーなワイン。ヴァンサンはもう少し爽やかで新鮮な果実のアロマのある、と同時に父と同じく絹のような柔らかさのあるワインを求めています。彼は家族のエスプリの中でドメーヌでの責務をしっかりと果たし、父親は決して離れすぎず彼を支援しています。