ラス ヴィーノ/ ワイルド ファーメント シャルドネ [2013年] 750ml・白 L.A.S. Vino/ Wild Ferment Chardonnay ワイン

マーガレットリヴァーの次世代を担う若き醸造家

ピエロ (Pierro) の創設者マイク・ペターキンを父に、ヴァーニャ・カレン (Cullen) を叔母に持つニック・ペターキンは、幼い頃から父のもとで畑やワイナリーの仕事を手伝い、10代にしてワインメーキングの道へ進むことを心に決めましたが、学生時代に友人から聞いた「人は土台から築き上げたもので判断される」という言葉に刺激を受け、様々な国を旅します。

パースの大学を卒業後、ナパ・ヴァレー、メキシコ、ポルトガルやアルゼンチンなどでヴィンテージの経験を重ねるなかで、ニックはそれまで知らなかった世界に触れ、自身のアイデンティティと生まれ育ったマーガレット・リヴァーの地で未知の可能性を見つけ出したいという強い思いを抱くようになりました。ラス・ヴィーノのプロジェクトはこの思いからスタートしています。

運・芸術・科学

ラス・ヴィーノは、自由でアーティスティックなニックの哲学から生まれました。“L.A.S.”の文字には次のコンセプトが表現されています。

ワインの原料となるブドウは、ヴィンテージごとに異なる天候などの「運 (luck)」に大きく左右されながらも、太陽や雨によって育まれ、自然が織り成す「芸術 (art)」として結実する。そして自然の産物であるブドウは「科学 (science)」によって「ワイン (vino)」に生まれ変わる。

既成概念にとらわれない独創性

ニックはアデレード大学の醸造学修士課程を優れた成績で修了した後、マーガレット・リヴァーの土地をより深く理解することに改めて取り組み、各地区の栽培農家を訪ね、交流を深めました。そしてサブリージョンの様々な微気候や地勢・土壌の違いを知り、これまでにない新しいコンセプトでワインを造るチャレンジが始まりました。ニックの挑戦は、マーガレット・リヴァーで40年以上前、英国市場向けの酒精強化ワインを造るため植えられたポルトガル品種や高樹齢のシュナン・ブランなどから造られるワインにも見てとることができます。

またシャンパーニュにインスピレーションを得て、高品質なピノ・ノワールのベースワインにシャルドネをブレンドしたり、400日にわたる長期のスキンコンタクト（ポルトガル赤品種）をするなど醸造においてもユニークでクリエイティブなアプローチを行っていますが、ただユニークであることを目指しているのではなく、そこにはオリジナリティを保つと同時にマーガレット・リヴァーの可能性を最大限映し出し、最高品質のワインを造るというニックのプライオリティが表現されています。

ラス・ヴィーノは初ヴィンテージ2013年のワインがいきなり各紙誌で高い評価を受けて注目を浴び、ニックは Gourmet Traveller WINE 誌（オーストラリア）の「ヤング・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー2016」にも輝いています。

バタースコッチ、バニラ、リンゴやストーンフルーツの甘美なアロマに、かすかな火打石のニュアンス。口中に広がる柑橘やリンゴの風味が、穏やかにクリーミーで、滑らかな余韻が長く続く。2013年が初ヴィンテージ。

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